化学実験で使ういろいろな分析機器を英語でなんて言うか知りたいな…
英語の化学論文を読んだり、海外の同僚と会話をしたりするときに、分析機器の英語表現が分からなかった経験はありませんか?
英語で化学論文を読んだり書いたりし、また国際的な場で専門的なコミュニケーションをとる方にとっては、よく使用される分析機器の表現を覚えておくことは重要です。
この記事では、化学論文を正確に読解し、海外の同僚などと専門的な会話をスムーズにできるように、化学実験でよく用いられる分析機器の英語表現を紹介します!
分析機器の英語表現一覧
化学分析で使う分析機器の英語表現を紹介します。英語で論文を書いたり、試験方法を作成したりする際に参考にしてみてください。
分析機器名 (日本語) | 分析機器名 (英語) |
元素分析装置 | Elemental analyzer |
核磁気共鳴 (NMR) | Nuclear magnetic resonance (NMR) |
赤外吸収分光法 (IR) | Infrared absorption spectrometry (IR) |
質量分析 (MS) | Mass spectrometry (MS) |
紫外可視分光光度計 (UV-Vis) | Ultraviolet-Visible absorption spectroscopy (UV-Vis) |
蛍光X線 (XRF) | X-ray fluorescence (XRF) |
X線回折 (XRD) | X-ray diffraction (XRD) |
X線結晶構造解析 | X-ray crystallography |
原子吸光光度計 (AAS) | Atomic absorption spectrometry (AAS) |
ICP発光分光分析 (ICP-AES) | Inductively coupled plasma atomic emission spectroscopy (ICP-AES) |
ICP質量分析 (ICP-MS) | Inductively coupled plasma mass spectrometry (ICP-MS) |
高速液体クロマトグラフィー (液クロ、HPLC) | High performance liquid chromatography (HPLC) |
ガスクロマトグラフィー (ガスクロ、GC) | Gas chromatography (GC) |
示差走査熱量測定 (DSC) | Differential scanning calorimetry (DSC) |
電子顕微鏡 (EM) | Electron microscope (EM) |
走査型電子顕微鏡 (SEM) | Scanning electron microscope (SEM) |
透過型電子顕微鏡 (TEM) | Transmission electron microscope (TEM) |
分析機器を使った例文
分析機器の英語表現を使った例文をいくつか紹介します。一緒に用いることが多い表現もあわせて解説します。
構造決定 (NMR, IR, MS, 元素分析)
The compound was characterized by 1H NMR, IR, mass spectrometry, and elemental analysis.
この化合物は、1H NMR、IR、質量分析、元素分析によってキャラクタライズされた (特徴付けられた)。
“was characterized by ~” は化学物質の構造決定の際によく用いられる英語表現です。
光物性評価 (UV-Vis, 蛍光X線)
The optical properties were investigated using UV-Vis absorption and fluorescence spectroscopies. Figure XX shows the UV-Vis and fluorescence emission spectrum of this compound in CH2Cl2.
光物性を紫外可視吸収および蛍光分光法を用いて調査した。図 XXに、ジクロロメタン中におけるこの化合物のUV-Visおよび蛍光スペクトルを示す。
単数形がspectrum (スペクトラム)、複数形がspectra (スペクトラ) です。
複数物質のスペクトルを一つの図に示すときは、“Figure XX shows UV-Vis spectra of compound Y and Z” のように表現します。
構造解析 (X線結晶構造解析, X線回折)
Molecular structure of this compound as a solid was determined by X-ray crystallography.
この化合物の固体としての分子構造をX線結晶構造解析によって決定した。
X-ray diffraction analysis was used for determination of the crystal structure. XRD pattern of this compound is shown in Figure XX. The crystallite size determined was YY nm.
結晶構造の決定にはX線回折を用いた。この化合物のXRDパターンを図 XXに示す。結晶子サイズはYY nmであった。
X線回折のデータを示すときは、 “crystallite size (結晶子サイズ)”、 “XRD pattern (X線回折パターン)” という単語が一緒に使用されることが多いです。
分離・精製 (HPLC, GC)
The substance A and B were separated by high performance liquid chromatography with retention time of XX and YY minutes.
物質AとBは高速液体クロマトグラフィーで分離され、保持時間はXX分とYY分であった。
HPLCを用いて分離・精製する際は、 “retention time (保持時間)” という表現が一緒に使用されることが多いです。
Dissolve 0.1 g of XX in 5 mL of chloroform, and use this solution as the sample solution. Perform the test with 2 mL of the sample solution by gas chromatography according to the following conditions.
XX 0.1 g をクロロホルム 5 mL に溶かし、この溶液を試料溶液とする。試料溶液 2 mL を用い、次の条件に従いガスクロマトグラフィーで測定する。
GCの試験方法は、以下のような測定条件も合わせて記載します。
・Detector (検出器)
・Column (カラム)
・Column temperature (カラム温度)
・Carrier gas (キャリアガス)
・Flow rate (流量)
自身が行っている実験条件を当てはめてこれらの表現を使ってみてください。
理系英語の発音練習
研究発表を口頭で行う際には、物質名や実験器具の英語の発音が日本語のカタカナ読みと大きく異なることがあるので注意が必要です。
一見すでに英語なのでは?という表現でも、実はそれは和製英語で英語では全く異なる発音をする単語もあります。
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