IELTS (アイエルツ; International English Language Testing System) は、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、イギリスなどへの留学や海外移住申請に必要な英語能力を評価する試験です。
この記事では、IELTSの試験内容、海外移住に求められるIELTSのスコアおよび試験対策について解説します。
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IELTS (アイエルツ) はどんな試験?
IELTSは、ブリティッシュ・カウンシル、IDP Education、ケンブリッジ大学英語検定機構の3つの機関が共同で開発し、運営している国際的な英語能力測定テストです。
この試験は、世界中の様々な英語使用環境を反映した内容であり、教育、移住、就職などの目的に合わせて英語能力を評価できるように設計されています。
その信頼性から、国際的に広く認識されている英語のテストの一つです。
IELTSでは、英語環境での授業についていく能力があるかどうか、仕事や生活をしていく英語力がどの程度あるのかを測ります。
IELTSの2つの試験形式
IELTSにはアカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールの2種類の試験形式があります。
アカデミック・モジュール
アカデミック・モジュールは、英語圏の大学や大学院で学びたい人、看護師や医師などの専門的な登録を目指す人向けです。
受験生の英語力が、英語で授業を行う大学や大学院に入学できるレベルに達しているかどうかを評価するものです。
オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、イギリスの大学や大学院では、アカデミックの試験結果が入学許可の判断基準となっています。
ジェネラル・トレーニング・モジュール
ジェネラル・トレーニング・モジュールは、英語圏での就労を考えている方や、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、イギリスへの移住申請を目指す人向けです。
移住者が社会や職場にスムーズに入っていけるようにするための措置として、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、イギリスなどの国では、特定のビザカテゴリーにおいてIELTSスコアが移民申請の要件とされています。
IELTSの試験構成
IELTSの試験は以下の4つのセクションから構成されます。
- ライティング (Writing)
- リーディング (Reading)
- リスニング (Listening)
- スピーキング (Speaking)
ライティング、リーディング、リスニングの筆記テストは同日に実施されます。スピーキングのテストは、筆記テストの前後6日以内に行われます。
合計所要時間は約2時間45分の試験です。
「アカデミック」と「ジェネラル」どちらのモジュールも4つの技能を測ります!
ライティング (Writing)
60分間で2つのライティングを行います。1問目 (Task 1) は約150語、2問目 (Task 2) は約250語を書く必要があります。
ライティングは「アカデミック・モジュール」と「ジェネラル・トレーニング・モジュール」で問題が異なります。
どちらのモジュールでもTask 1では説明力が求められ、Task 2では自分の意見を主張する力が求められます。
目安として、Task 1は約20分、Task 2には約40分の時間を費やします。
リーディング (Reading)
60分間で3つの長文を読み質問に答えます。全40問で、受験者の読解能力と情報を速く正確に処理する能力を評価します。
リーディングは「アカデミック・モジュール」と「ジェネラル・トレーニング・モジュール」で問題が異なります。
選択問題、正誤問題、穴埋め、記述式問題など様々なタイプの問題が出題されます。
リスニング (Listening)
約30分間で録音された音声を聞いて4つのパートの質問に答えます (加えて、答えを解答用紙に転記するための10分間の時間が与えられます)。
各パートの内容は以下のようになっています。
- パート1: 日常会話に基づいた2人の話者による対話。例えば、宿泊予約の電話や情報の問い合わせなど。
- パート2: 1人の話者による社会生活の状況に関するスピーチ。例えば、ガイドツアーの説明や地方自治体のイベント案内など。
- パート3: 教育現場における最大4人までの話者による対話。例えば、学生間のプロジェクトについての討論や、教授との研究に関する議論など。
- パート4: アカデミックな内容 (歴史、科学、社会学) の講義やスピーチ。
すべてのパートで音声は一度しか再生されません。
リスニングは「アカデミック・モジュール」と「ジェネラル・トレーニング・モジュール」どちらも共通の内容です。
スピーキング (Speaking)
11~14分間で面接形式の試験が行われます。
パート1は自己紹介と日常生活に関する質問 (4~5分)、パート2は指定されたトピックについてのスピーチ (3~4分)、パート3はディスカッション (4~5分) を行います。
パート3のディスカッションは、パート2のトピックについてより掘り下げた質問をされるため、自分の考えを的確に述べる必要があります。
面接官はネイティブスピーカーであることが多いです。
流暢さ、正確性、発音、語彙力、文法などが評価基準となります。
スピーキングは「アカデミック・モジュール」と「ジェネラル・トレーニング・モジュール」どちらも共通の内容です。
2つのモジュールの試験内容比較
IELTSの「アカデミック・モジュール」と「ジェネラル・トレーニング・モジュール」の主な違いは、リーディングとライティングの出題内容にあります。
永住権の申請には「ジェネラル」を受験する必要があります。
モジュール | アカデミック |
目的 | 大学、大学院入学または専門職の登録のため。 |
ライティング | Task 1では、表、グラフ、図形の説明や要約、手順の説明を求められます。 Task 2では、与えられたトピックについてエッセイを書くよう求められます。トピックに対してどのような意見を持っているのか順序立てて説明する必要があります。 |
リーディング | 書籍、専門誌、雑誌、新聞から抜粋された長文3つが出題されます。 大学、大学院進学、就職を希望している受験者に適した内容になっています。 |
リスニングとスピーキング | アカデミックとジェネラル・トレーニングは両方共通の試験内容です。 |
モジュール | ジェネラル・トレーニング |
目的 | 英語圏での就労、または移住のため。 |
ライティング | Task 1では、日常生活の状況に基づいた手紙を書くことが求められます。 Task 2では、一般的な議題や問題についてエッセイを書くよう求められます。自分の意見や根拠を順序立てて説明する必要があります。 |
リーディング | 広告、新聞、書籍、雑誌、公的文書、会社のマニュアルなど、より実用的な資料から抜粋された長文3つが出題されます。 題材は英語圏の環境で日常的に遭遇する可能性のあるものです。 |
リスニングとスピーキング | アカデミックとジェネラル・トレーニングは両方共通の試験内容です。 |
永住権申請に必要なIELTSスコア
IELTSは、各セクション (ライティング、リーディング、リスニング、スピーキング) が1.0~9.0までのバンドスコアで評価され、最終的な全体のスコアは1.0~9.0の0.5刻みで表示されます。
海外移住のビザ申請で必要なスコアは、国や目的によって異なります。
オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、イギリスへの移住に必要なIELTSスコアの目安は以下のようになります。これらのスコアは変更される可能性もあるため、正確な情報は移住を検討している国の公式ウェブサイトや関連機関にてご確認ください。
オーストラリア
オーストラリア移民・国境警備省によると、永住権申請には一般的にIELTSの各セクション (ライティング、リーディング、リスニング、スピーキング) で6.0以上のスコアが必要です。
ただし、特定のビザや医療系などの専門職では、より高いスコアが要求されます。
正確な情報は、こちらのウェブサイトでご確認ください。
カナダ
カナダでは、永住権申請に必要なIELTSスコアが、申請するプログラムによって異なります。
Federal Skilled Worker ProgramやCanadian Experience Classのプログラムに参加する場合、スコア要件は以下の通りです (カナダは、IELTSのスコアがCLB (Canadian Language Benchmarks) というカナダの言語能力基準に変換されます)。
- Federal Skilled Worker Program (カナダでの就労経験はなく、外国での就労経験がある人向け): CLB 7以上 (IELTSのリスニング、リーディング、ライティング、スピーキング各セクションで6.0以上) が求められます。
- Canadian Experience Class (すでにカナダで働いていて永住権を求めている人向け): スキルタイプにより、CLB 7 (IELTSで各セクション6.0以上) またはCLB 5 (リスニング5.0、リーディング4.0、ライティング5.0、スピーキング5.0) が求められます。
正確な情報は、こちらのウェブサイトでご確認ください。
ニュージーランド
ニュージーランドの永住権申請に必要なIELTSスコアは、選択するビザのカテゴリーによって異なります。
技能移民カテゴリーでは6.5以上、申請者のパートナーや子どもは5.0以上が必要です。
投資家カテゴリーでは3.0以上、起業家カテゴリーでは4.0以上が必要とされています。 パートナーや16歳以上の子どもについては、4.0以上が求められます。
正確な情報は、こちらのウェブサイトでご確認ください。
イギリス
イギリスへの移住申請にはIELTS for UKVI (IELTS for UK Visa and Immigration) という試験のスコアが必要です。
試験形式、試験構成、難易度はIELTSと同様ですが、UKVIが認定した試験会場での受験が必要です。
必要なIELTSスコアは、選択するビザの種類によって異なります。
- Tier 1 (起業家ビザ): CEFRレベルB1以上 (IELTSで4.0以上) の英語能力が求められます。
- Tier 2 (一般的な就労ビザ): CEFRレベルB1に相当するスコア (IELTSのリスニング、リーディング、ライティング、スピーキング各セクションで4.0以上) が必要です。
正確な情報は、こちらのウェブサイトでご確認ください。
IELTSの受験料
日本で受験する場合、IELTSの受験料は25,380円 [税込]、IELTS for UKVIの受験料は29,400円 [税込] です (2024年3月時点)。
アカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールどちらも受験料は同じです。
安くないので必要なスコアを一回で取得できるように対策をして挑みましょう!
IELTSの受験形式にはペーパー版とコンピューター版がありますが、どちらでも受験料は同じです。受験形式についてはこちらをご確認ください。
IELTSの試験対策
オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、イギリスなどへの海外移住の永住権を取得するには、海外で仕事や生活をしていく十分な英語力があることをIELTSで証明する必要があります。
移住を検討している国や申請予定のビザで求められるスコアをよく確認して、目標点数を一回で取得できるように受験前にしっかり対策を行いましょう。
ここからはIELTSの試験対策用の問題集と参考書をご紹介します。また、短期間でスコアアップを目指したい方におすすめのスクールをご案内します。
IETLSの公式問題集
IELTSの設問作成団体であるケンブリッジが出版しているジェネラル用の公式問題集です。
問題・解答はすべて英語で書かれています。アカデミックの方は別の出版社から日本語の公式問題集が出ていますが、ジェネラルはケンブリッジが出版しているこの公式問題集しかありません。
本番前にIELTSの試験形式に慣れたり、自分の弱点を把握したりするのに最適な一冊です。
IETLS対策用単語帳
旺文社から出版されているIELTSに特化した英単語帳です。
アカデミックに対応した単語帳にはなりますが、ジェネラルを受験する方も活用可能です。
スペルや音声はすべてイギリス英語で収録されています。
Liberty English Academy
一人でIELTSの対策をするのが難しい人や短期間で効率よく確実にIELTSのスコアアップを目指したい人には、『Liberty English Academy』でコーチングを受けることをおすすめします。
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通学・オンラインどちらでも受講ができるので、ご興味のある方はぜひ一度チェックしてみてください。
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まとめ
オーストラリア、カナダ、ニュージーランドなどへの海外移住の永住権の申請にはIETLSのジェネラル・トレーニング・モジュールのスコアが求められます。
イギリスへの移住申請にはIELTS for UKVI (IELTS for UK Visa and Immigration) という試験のスコアが必要です。
移住を検討している国や申請予定のビザで求められるIELTSのスコアを事前に確認し、目標スコアを一回で取得できるように対策をして試験に挑むようにしましょう!
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